私が青年海外協力隊としてソロモン諸島に来る前は、東京都の私立高校で3校、神奈川県の県立高校で1校非常勤講師として勤めていました。
専任教諭、いわゆる正規の職員とは違い、給与面・職務内容・福利厚生等で違いがあるのですが、特に私立の非常勤講師の場合、各学校のHP上で募集要項が載っていても、給与の欄には「当法人内規に従う」のような記述で、はっきりと「いくら」とは明記されていません。
かつ、ベテラン講師なら別ですが、多くの場合、大学・大学院を出たばかりの新米先生たちが多いと思うので、面接で「給与はおおよそいくらですか」なんて聞きにくい。(私が聞きにくかっただけかな?)
というわけで、のべ4校の学校で勤めた経験とそれを上回る学校に応募した経験から、
非常勤講師の懐事情について、紹介したいと思います。
基本はコマ数
非常勤講師のお給料はどれだけコマ数(授業数)を持っているかに依存します。各学校によって1コマあたりの値段が違うので、平均値は断言できませんが、私の経験と知り合いの様子を見ても1コマあたり2000円~3000円ほど。コマあたり2700円ほどが、公立の学校が提示する値段でしょうか。
例えば、1コマ2500円の授業を16コマ持っていたとして
それを1ヶ月の収入として計算すると、
2500円×16コマ×4週間=16万円
です。
手取りです。そこから諸経費が引かれ、さらに国民年金に自分で加入しないといけなかったり、国民健康保険に加入したり、税金を支払ったりとしているうちに、手元に残るのはほんのわずかです。家賃の心配がなければ多少のゆとりがあるかもしれませんが、家族を養ったりするのは難しいと思います。
また、給料のキーポイントとなるコマ単価(1コマあたりの値段)は書類選考の段階ではわからないことが多いです。(電話等で質問すれば教えてくれる学校もあるかもしれません)
さらに、コマ数はそうそう簡単に増えないので、学校によっては8コマだけしかできない。なんてことも起こります。
加えて、副業等が認めれれている場合が多いので、大学院に通いながら働いていたり、2~3校の学校で非常勤講師をしていたり、授業が終わった後に塾でアルバイトをしたりと、時間の使い方次第ではフレキシブルな働き方ができます。
非常勤講師単体で考えたら、手取り30万円はかなり難しいと思います。
労働時間
非常勤講師は文字どおり、「非」常勤講師です。つまり学校の勤務時間に縛られていません。でも、他の教員と同様に授業は持ちます。いわゆる正規の職員の場合、例えば8時から勤務開始だとして、非常勤講師の場合、授業がある時間の前に出勤すればいいのです(例外もあり。状況によります)
例えば3時間目から授業がある日なら、3時間目が始まる前に学校についていればいいわけです。さらに、授業が終われば拘束されることもないですから、昼ごろ帰るなんてこともできたりします。
私の場合、午前中にとある学校で授業をしたのち、電車で30分ほど移動して別の学校の午後からの授業をしていたこともあります。都内だからできた荒技??
かなり慌ただしくはなりますが、可能です。
まとめ
確かに、お給料や福利厚生の面から考えたら専任教諭にはかないません。しかし、それを逆手にして自分の工夫次第で作り出せる時間があります。
私が働いていた時は、息子が幼稚園に通っている間だけ学校で働いて、幼稚園が終わる頃に迎えに行けるような時間割を組んでいました。
しかし、学校で働いているとハプニングがつきもので、どうしても生徒の対応で行けない時もあったようです。
必ずしも担任を持ったり部活を持ったりするだけが教員ではなく、教員+αの生活が作り出せる方法なのかなと思います。
これから、教壇に立とうとしている人たちの不安や疑問に少しでも答えられていたらいいなと思います。
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