青年海外協力隊の活動は原則2年間です。以前は任期延長といって任期を伸ばすことが多かったようだけれども、現在は予算の都合なのか延長することはかなり難しくなっています。
そんなわけで、隊員の活動が終わった後も「後任」といって同じ配属先(派遣される職場)に新たな隊員が派遣されることがあります。
中には10代目(同じ配属先に今まで10名のボランティアが派遣されてた)という例もあります。
私の場合、「新規」といって、配属先に派遣されるのが初めて(もしくは新しい職種)の要請です。
新規での派遣ですと、配属先が日本人に慣れてないとか、日本人未踏の地とか、なかなかボランティアの活動を理解してもらうのが難しいという話を聞きます。
じゃあ、私の場合はそうだったのかというとそうではなく、配属先にはもちろん日本人と初めて関わる人がほとんどでしたが、私が派遣される5年前に「理数科教師」という職種(現在は理科教育・数学教育と分かれています)でボランティアが派遣されていました。
その当時も学校に勤めていた校長(当時は校長ではない)ともう一人の先生と小学校のとある先生は一緒に働いていたようで、ボランティアに対して理解がありました(他の先生が理解がないというわけではなく)。
ちょっと前置きが長くなったのですが、私の後任が来るかどうかはわかりませんが、もしかしたら数年後に来るかもしれません。
それが、別の職種だったとしても。
そんな誰かもわからない相手に対して
「私の任地はこういうところだよ!」
「活動はこんなことしているんだよ!」
というのを、書いていこうと思います。
私の任地について
アクセス
いま、私が青年海外協力隊として配属されている任地はソロモン諸島ウエスタン州ギゾという町です。
ソロモン諸島の首都であるホニアラに次いで発展している町と言われています。
首都ホニアラからは国内線の飛行機(片道$1800SBD≒27000円)でおよそ1時間
定期船(片道$500SBD≒7500円)を利用するとおよそ27時間かかります。
南緯8°ということもあり、まさに雰囲気は南国って感じです。特にギゾはソロモン諸島の中でも屈指のリゾート地(というかリゾートがたくさんある)です。
ギゾはギゾ島という島のほんの一部のエリアでして、町の端から端まで歩いてもおよそ20分と、とってもコンパクトな町です。
買い物
町では基本的に生活で必要最低限のものは買えますが、中には買えないものもあるので注意!手に入るもの・手に入らないものについて気になる方はご連絡ください。
マーケットは2018年8月現在新マーケットへの移転工事中で、現在は仮説のマーケットとして運用しています。現在のマーケットの写真はこちら
ギゾはホニアラと比べると野菜や果物の種類は少なめです。でも値段はほとんど変わりません。また、魚(キハダマグロやカツオ、リーフフィッシュ等)はホニアラよりも安いし新鮮ですので、捌けるようになりましょう。
食事
ギゾにはレストランが2つあり、食事をできる場所(kai bar)は4箇所ほどあります。レストランではロブスターやイカ、ピザなどが食べることができますが、お値段もいい値段。
kai bar(お食事どころ)では、お米と中華っぽい味付けの炒め物?煮物?を食べることができます。とはいっても安くはなく40SBD(約600円ほど)しますので、毎日食べれない。600円のランチがこっちでは高価なのです。
私はもっぱらマーケットで買えるフィッシュ&チップス(カツオとクマライモ)を食べています。これがおいしい!しかも安い($10≒150円)
人柄
ギゾに住む人たちはとっても親切で優しい方が多いです。「〇〇を探している」とか「手伝ってくれー」とか言えば「どうした!任せろ!」と言わんばかりに手伝ってくれます(もちろん個人差あり)。夜中に出歩いても、酔っ払った人たちの絡みに行かなければ問題ないです。酔っ払うとちょっとめんどくさい絡みが多くなるので、私は酔っ払った人には近づかないのを基本スタイルにしています。
通信
インターネット事情はソロモン諸島全体でとっても悪いんですが、ギゾもその例外ではありません。しかし、国内の中では比較的繋がりやすい(安定しているand通信速度が相対的に良い)です。ちなみに調子がいい時の通信速度はおよそ100kb/sです。ブログを書いたり、facebookを見たりする分にはそこまでストレスはありませんが、動画コンテンツを見ようとは思いませんねー。
首都であるホニアラでは4Gに対応している(Out telekomという通信会社のみ:2018年8月現在)ので、割と快適だと思いますが、地方では、こんなもんです。どうしようもないです。
誰得??ソロモン諸島の電話・インターネット事情~料金体系・通信速度・日本でやっておくこと~活動と配属先(職場)について
以前に記事にしたものがあるのでそちらもご参考ください
場所
私の任地であるGIzo Community High Schoolはソロモン諸島ウエスタン州ギゾという町の裏手にあります。ギゾという町は中心部の端から端まで歩いて20分ほどととってもコンパクトな町です。そのメインストリートの裏手にあるのがGIzo Community High Schoolです。
職場で関わる人たち
普段関わるのは、ソロモン人の先生たちとソロモン人の生徒たちです。私以外にソロモン以外の国籍を持つ人はいません。でも、保護者の中にはオーストラリアの人や中国から来た人がいますが、ほとんど関わりません。
学校には幼稚園から高校3年生までの生徒がいますが、私が派遣されているのはsecondary divisionと言って、中学高校のところですので、基本的には小学生や幼稚園の生徒や先生たちとは関わりません。
私の学校では校長・副校長の管理職に加えて会計、進路の役職があります。それ以外にもあるんでしょうけど、ほとんど関わりはありません。
ちなみに教員数は25名(女性17名、男性8名)に私を加えて26名です。先生たち全員が揃うことはほっとんどありません笑
生徒数はおよそ400名ちょっとです。1クラス40人ほどで、1学年2クラス。中1から高3まであるので、単純計算で40×2×6で480になりますが、クラスに40人もいるのはみたことがないし、学年によって人数が少ないところがあるので、全体では400人ちょっとくらいになります。また、生徒が全員揃うこともありません笑
生徒の知的好奇心はとても高いですが、食欲と集中力のなさがその良さを妨害しています笑
とってもいい感じで集中していても、ある生徒が「お腹すいた」と言い出すと、それがみんなに感染して止まりません笑
うまくコントロールできればいいのですが、なかなか難しいです笑
ソロモンの学校紹介活動内容
主な活動内容はいたってシンプルです。学校で授業をすることです。どの学年を持つかやコマ数は年によって変わるので特に決まっていませんが、現地職員とほとんど同じくらいコマを持ちます。私は24コマ/週です。活動のメインはこの授業をすることとその授業のための準備をすることです。
授業以外にも学校で起こるイベントには参加します。例えば、終業式とか、文化祭的なイベントです。年によってそのイベントがあったりなかったりするみたいなので、断言はできません。
また、要請内容の中に「同僚に対してアドバイスを〜〜」とあったりするので、自分で研修会みたいのなものを開催してもいいし、その場その場で気がついたことを伝えてもいいと思います。
あとは、学校のため・生徒のためになることであったり、地域のためになることであればなんでもしてOKだと思います。
いまさらだけど、私の青年海外協力隊としての活動内容を紹介します!学校にあるもの
日本にある基本的なものがあるとは思わないでください。
教室には電気がありません。
コピー機も使いたい時には使えません(トナー切れや鍵が閉まっていて入れない等)。パソコンもありますが、自分で持っていったものを使いましょう。チョークや黒板消しはありますが、いつストックが無くなるかわからないので、ストックがある時に自分の手元に数箱置いておきましょう。
TERM1 week4 ~ソロモンの学校の様子〔時間割や教室、放課後の様子など〕~理科室について
理科室があります。理科室ないに黒板もありますし、机もありますが、椅子がありません。どっかの教室からかき集めてこなくてはいけません。
実験で使う試験管や薬品等はそれなりにありますが、供給元がSINUであり、連絡がつかないなんてこともよくあるので、薬品は使い切ったら終わりと考えていいでしょう笑
理科室には水道が通っていないので、近くのレインタンクから水を汲みにいかないといけません。これがちょーめんどい。
授業の組み立て方
授業は英語を使って行います。私は基本的に英語を使っていますが、英語だと上手く伝わらない時もあったりするので雰囲気に合わせて現地語ピジン語も織り交ぜています。日本語は全く出てきません。
【保存版】10分でマスター?ソロモン諸島の言語ピジン語入門!教科書は教員の分しかないので、生徒の分はありません。だから、先生たちの中には教科書のコピーを渡している方もいますし、渡さない方もいます。
私は基本的に教科書のコピーは渡さずに、文章や図は黒板に書くようにしています。
ソロモン諸島の中学生に凸レンズを渡してみた話一日の流れ
6:30 起床
8:00 学校へ行く
8:20 一時間目開始(予定)
11:00 休憩時間
11:30 休憩時間終わり,5時間目開始
2:00 8時間目終わり
2:00〜 放課後のイベント
4:30ごろ マーケットに行ってお買い物
5:30ごろ 帰宅
7:00ごろ 晩御飯
22:00ごろ 就寝
一週間の流れ
月曜日:朝礼、パニッシュメント
火曜日:文化活動の日
水曜日:work sessionの日(校内清掃)
木曜日:スポーツの日
金曜日:朝礼、パニッシュメント
年間スケジュール
1月:休みです。もしかしたら最終週に学校が始まるかも
2月:学校の新年度が始まります。
3月:そろそろ出席率が安定します。
4月:4月の半ばあたりで1週間休みがあります。
5月:踏ん張りどころ。生徒も疲れてきます。
6月:テスト作りと学期末のイベントで忙しいです
7月:ずっと学校休み
8月:二学期開始。教育実習生がやってきます。
9月:乾季が続き、暑い日が続きます。頑張りましょう。マンゴーの季節
10月:10/5にワールドティーチャーズデイというのがあります。楽しもう
11月:生徒にとって進学をかけた試験があります。
12月:学年末試験とクリスマスがあって忙しい
こんな感じで、ソロモン諸島での活動と配属先の様子をちょっと事務的な感じになっちゃいましたけども、書いてみました。
ぶっちゃけると想像通り、日本語以外で授業することってめちゃめちゃ大変だし、生徒の行動も読めないし、いうこと聞かないし、もう大変です。日本で働くよりもうまくいかないことだらけです。むしろうまくいくことの方が少ないくらい。
でも、良くも悪くも自分のやってる授業に対しては横から口出しされたことはないし、むしろ褒めてくれることがあったりします。
日本にいた頃は「おれは授業が上手だ!」なんて思ってたんですよ(根拠もなし)。だからこそ、こっち(ソロモン)でもやっていけるんじゃないかっていう根拠のない自信があったんですね。けども、ソロモン生きてみると、そんな自信は軽〜く吹っ飛んで、「おれは何もできないのか。。」なんて自信喪失したこともあります。
所詮テクノロジーに頼ってた自分だったんだなって
黒板とチョークだけ
「それだけでいかに生徒に教えることができるのか」
そんなことを考えてたりしました。
けれども、今までとかなり違う環境でそう簡単にすぐ対応できるはずがないんですよね。
やっぱり、プリンター使いたいし、欲を言えばカラーコピーしたいし、大きい画面で動画も見せてあげたい。
「自分の実力不足なのか」
「何かをしにきたのに、何もできてないじゃないか。」
そんなことを思うたびに苦しくてなかなか寝れない日が続いた時もありました。
歩いてるつもりが、足踏みしてるだけだった 青年海外協力隊員が感じるストレスとその対処法けれどもね、あるときにこう ぱっかーん って思考が変わった時があったんです。かっこよくいうとブレイクスルーってやつ。
「そうじゃん。おれはここで何もできないんだから、ここにいる人たちと一緒に何かができるように成ればいいんじゃん」ってね
それまでは「何も(彼らのためになることが)できてない」って思ったり、「この状況は(簡単には)変えられない」って思ったりしてたんです。
けれども、よくよく考えると、JICA的にはそんなのを求めていなかったんですよね。
どこからそう思ってたのかわかんないんですけれど、「おれの持ってるスキルは絶対に彼らの役に立つだろう」っている妄想が始まってたんです。
だから、実際に来て活動してみて、うまくいかない、うまく噛み合わないっていうのがすっごくストレスだったんです。
でもあるときにさっき書いたように思考のブレイクスルーが起きて、うまくいかないっていう現状を受け入れることができたんです。
「そうだ。こんな日本人の若造がひょろっとやってきて、変わるんだったら、もうとっくに変わってるじゃん」って。
どうしても「日本のやり方」が正しく見えちゃってて、「ソロモンのやり方」を「日本のやり方」に矯正しようとしてた自分がいたんです。
でも、それって、すっごく生意気な行為だったことに気がついたんです。だってこれまで積み上げてきたものを拭い去るようにして書き換えようとする行為って、現地にいる人を見てないというか、現場無視というか。。。
だから、そういう思考の変化もあって、今では「二年間住んで、数年後に「ああ、あんなやつがそういえばこんなこと言ってたな」なんて思い出してくれるだけでもいいかな」って思うようになったんです。
JICA的にはそれじゃダメだけどね。やっぱり国の予算を使ってる以上、何かしらの「いい変化」は起こさなくちゃいけいない。だから毎日毎日「彼らのためなること」をちょっとでも見つけて行動しているんです。
ボランティア活動は「共感」の活動何が言いたいのかっていうと
うまくいかないことだらけだけども、肩肘張らずにコツコツできることをやってね
ってこと。
いつかの後任へ向けて
ソロモン諸島より。2018.9
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